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MFT③ 呼吸の機能

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。昨日、MFT 食べる機能についてお話ししました。今日はその続き:呼吸の機能についてお話しします。


【目次】

1.食べる機能について(→10月15日のブログ
2.呼吸の機能について
3.話す機能について(→10月17日のブログ

国立 歯医者 MFT

呼吸の機能について

呼吸の機能についての困りごとは、
・いつもポカンと口が空いている
・口で呼吸している
・口唇が荒れている    方は要注意です。

では、お口ポカンがどうして良くないのか見ていきましょう。口呼吸についてはこちらも合わせてご確認ください。

お口ポカンがなんで悪いのか?

日本人の子供の約3割がお口ポカン(口唇閉鎖不全の症状)がみられると言われています。大人にも多く見られ、自然治癒が難しい口腔習癖の1つと言われています。

通常ヒトは安静時には鼻で呼吸をします。呼吸により酸素を取り込み、エネルギーを生み出します。また、新生児は鼻で呼吸をし口で母乳やミルクを取り込みます。鼻腔粘膜にはフィルターの役割があり、体外から入ってきた空気に含まれている細菌やウイルス、花粉、ほこりなどの不純物を捉え体外に押し流しています。また、外気が寒く乾燥した環境でも吸い込んだ空気は鼻の中で加温・加湿され、肺に入るときには身体に合った状態になっています。

国立 歯医者 MFT

しかし、小児もコロナの影響でマスクをする時間が長くなり、鼻呼吸だと苦しいので口呼吸になっていることが増えている報告もあります。

口呼吸になると鼻で行っているフィルターや温度調整の機能を介さずに直接空気が肺に入ってくるため、細菌やウイルスに感染するリスクが高まります。特に就寝中の口呼吸は長時間口を開けたままになるため口腔内は乾燥しやすく、睡液も少なくなり自浄作用が低下します。また朝起きたときに喉が痛い、口唇が荒れている、口臭がするなどの症状を自覚する人もいます。小児における口唇閉鎖不全は口腔の形態・顎顔面の成長発育に大きな影響を及ぼす可能性があり、全身の健康状態との関連性も指摘されています。早急な対応が必要です。

お口ポカンの原因とは

口唇閉鎖不全の原因は、以下のものがあります。
 
①鼻咽頭疾患によるもの

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・口蓋扁桃肥大・咽頭扁桃肥大(アデノイド)
・副鼻腔炎・慢性鼻炎・アレルギー性鼻炎・花粉症など

まず、鼻咽頭疾患やアレルギーがないかを確認しましょう。問診票でも確認し、保護者の方に「いつも口を開けて呼吸をしていないか」や「鼻が詰まりやすくないか」などの質問もしてみましょう。必要であれば耳鼻科やアレルギー科の受診も勧めましょう。

②形態的な問題(不正咬合)によるもの

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・上顎前突
・下顎前突
・上下顎前突
・前歯部開咬

歯列不正や骨格形態異常が著しい場合はまずは綺正治療や顎無正治療を行い、並行して形態改善を考慮したMFTの指導計画の立案が必要となります。自院で対応できない場合は矯正科と連携を図ります。矯正治療を行なっても保定期間中に口呼吸をやめられないと後戻りをしてしまいますので注意が必要です。この場合本人も保護者も口呼吸の自覚がないことが多いので口呼吸をしている状態の写真を撮って説明し中止するように伝えるのも有効です。

③口腔周囲筋の筋力に問題があるもの

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・上唇が硬く伸びにくい
・上唇小帯が短い
・口唇閉鎖する力が弱い
・上唇が翻転している
・低位舌がある

④習慣的口呼吸を継続しているもの

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・日中も就寝中も絶えず口を開けている

セルフチェックしてみましょう!

  • うがいができているか
  • コップが正しく使えているか
  • 口唇閉鎖時にオトガイ筋に緊張がないか
  • 口唇が荒れていないか
  • 口唇にラインに沿って前歯部に着色がないか
  • 舌小帯に舌苔が認められないか

一つでも当てはまるかたは、当院スタッフまで早めにご相談ください

オススメのMFT
①リップマッサージ
②ボタンプル
③風船を膨らます

④スティックを用いて口唇を閉じる練習
⑤ポッピング
⑥スポット
⑦ポスチャー


鼻と口腔は、呼吸や食物摂取などの生命維持にとても重要な器官です。特に呼吸は毎日無意識に・継続的に行わなければならず、この機能に障害があると身体は緊急状態に陥ることから、呼吸機能は最も重要な身体機能の1つです。

口呼吸を原因とする問題の多くは小児期から始まり、長く引き継がれて顕在化していきます。気づいた時にはすでに習癖化しておりすぐには治すのが難しいです。小児期は成長発育が旺盛な時期であるとともに異常や障害が起こりやすい時期でもあると言われています。小児期に鼻腔が長期的・慢性的に閉塞すると不正咬合のみならず心身の健康状態にも大きく影響する可能性があります。
歯科の定期検診のタイミングでも気づくことができるサインが多くあります。なるべく早めに改善するためには早期発見がとても重要です。定期的なチェックを行い、早期発見に努めましょう!