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金属アレルギーについて

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は昨日の銀歯のお話の続き『金属アレルギー』についてお話しします。



1.金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、金属に触れることで生じる接触皮膚炎のことです。

症状としては、かぶれや痒みなどが挙げられます。例えば、ネックレスなどの金属を含むアクセサリーを身につけたとき、装着部位にかぶれや痒みなどの症状が出た場合は金属アレルギーの可能性が高いでしょう。

金属アレルギーによって引き起こされるのは皮膚症状だけではありません。頭痛や肩こり、めまいなどの症状が引き起こされるケースもあります。金属アレルギーを起こしやすい金属としては、クロムやコバルト、ニッケルなどが挙げられます。

金属アレルギーは、一般的な病気と違って完治することが難しいです。そのため、金属アレルギーの人はなるべく金属が皮膚に触れないように注意して生活する必要があります。

2.歯科と金属アレルギーについて

日常の歯科治療で使用される金属材料が原因で生じるアレルギー性接触皮膚炎も問題となっています。金属アレルギーの基礎知識を理解した歯科医師を増やして真剣に取り組む必要がありますが、そのためにまず、アレルギーの分類と免疫学的機序を理解する必要があります。

<アレルギーとは?>
アレルギーとは、ギリシャ語のallos(other変じた)とergo(action作用・能力)とに由来し、「変じた反応能力」ないしは「変作動」という意味で命名されました。このアレルギーという言葉は1906年にClemens Freihcr von Pirquetが“Allergie”と題する論文の中で初めて用いられました。

<歯科金属アレルギーとは>

国立 歯医者 アレルギー
国立 歯医者 アレルギー

虫歯を治療する際、詰め物・被せ物には金属が使われることがあります。一般的には銀歯と呼ばれていますが、実際には銀・金・パラジウムなどの金属を混ぜた合金が治療に利用されています。

一方で、腕時計やネックレスなどによって皮膚がただれたりする金属アレルギーはよく知られています。同じように、歯科治療で使われる金属によってもアレルギーを起こすことがあり、これは歯科金属アレルギーと呼ばれています。

歯科治療に金銀パラジウム合金が利用されるようになったのは1965年です。ゴールドを使った「金歯」の治療が虫歯治療において優れているという認識はありましたが、ゴールドがとても高価なものであったため、その代わりとして銀歯が利用されることになりました。その当時はまだ銀歯の材料も安価なものでした。当時の報告書では「銀歯は許容される最低限の材料」と言われていました。

銀歯は保険診療で受けることができる安価な治療方法ではありますが、昔と変わらず必要最低限の材料であることに違いなく、必ずしも最適な材料ではないことがわかります。

3.金属アレルギーの症状について

金属アレルギーの症状には以下のものがあります。

  1. 頻繁に起こる口内炎や舌炎
  2. 口元・顔面のただれ
  3. アトピー性皮膚炎様症状
  4. 掌蹠膿疱症
  5. 味覚の異常
  6. 頭痛・肩こり等の不定愁訴

一つでも当てはまる方は一度検査をしてみましょう!

4.金属アレルギーの治療について

既に上記の症状が出ている方は、すぐに皮膚科を受診しましょう!
歯医医院で歯科金属アレルギーの根本的な原因(金属修復物)の除去ややりかえを行うことができますが、既に発症した炎症を治療するためには皮膚科で診断していただく必要があります。皮膚の炎症はかゆみや痛みを伴う場合もありますので、皮膚科で正しい診断を行い必要により治療薬を処方してもらうようにしましょう。総合病院などではアレルギーを起こす金属を特定することができるパッチテストも行っている場所もありますので、受診時の参考にしてみてください。

またアレルギーを無くすためには、お口の中でアレルギーの原因を取り除く必要があります。歯科金属アレルギーの場合は歯の治療で使われた金属を取り除いて、別の材料でやりかえることでアレルギーの緩和が期待できます。コンポジットレジン、セラミック、ゴールドなどは歯科金属アレルギーを起こさない・起こしにくい材料です。これらの治療に関してはこの先少しずつアップしていきます!

国立 歯医者 アレルギー

現在、インプラント治療にはチタン製のものが多く使われています。これは、チタンが骨と結合して強固に固定される性質を利用するためです。金属を使わないインプラントも存在しますが、扱っている歯科医院は非常に限られています。ですので、インプラント治療はほとんどの場合で金属が使われています。

チタンにアレルギー反応を示す方も少なからずおられますが、イオン化しにくいとも言われています。チタンは非磁性のためMRIも問題なく利用可能ですので、医療現場においては身体に埋め込む金属としてチタンは頻繁に使われています。心配な方はパッチテストを受けてみましょう。

しかし、チタンも同様に絶対にアレルギーを起こさない材料ではありません。複数の研究で約数%程度の人がチタンに対しアレルギー反応を示すことが示唆されているので、過去に装飾品等でアレルギー様の症状が出た経験のある方は、安全な治療のためにも事前にパッチテストなどで調べることを推奨しています。


歯科用金属だけでなく、医療で用いる薬剤にはアレルギー反応をしめすものが存在します。年齢を重ねて発症することもあるので、心配な方は一度アレルギー検査を受診しましょう!