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歯の構造について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。

今日は歯の構造についてお話しします。

国立 歯医者 歯の構造

目次
1.エナメル質
2.象牙質
3.歯髄
4.セメント質
5.歯根膜
6.歯槽骨
7.歯肉

エナメル質は、歯の一番外側を覆っている表面の硬い層のことです。健康なエナメル質は薄い黄色や、白っぽいグレーまたは青みがかった白などの色があります。エナメル質は人間の体の中で最も硬い組織で、大部分はミネラルで構成されています。主な成分はカルシウムとリン酸です。強力に結合して規則的な格子結晶を形成しています。エナメル質の99%は無機物でできています。

 エナメル質の厚さは平均2~3mmと薄いですが、熱いものや冷たいもの、酸性の食品など、歯がシミると感じさせるものが、刺激に敏感な内部の層に触れないよう保護する役割を果たしています。エナメル質は虫歯への抵抗も強く、仮に虫歯になったりかけたりとしてもエナメル質内の虫歯は痛みを感じません。治療するときも麻酔が必要ないことが多く、光で固まるレジンでその日のうちに完了することが多いです。エナメル質へのレジンの接着が一番強固に起こります。

 エナメル質には生きている細胞は無く、一度失われたエナメル質は二度と再生しません。そのためエナメル質がなくなると、その下にある柔らかい層(象牙質)が十分に保護されない状態になります。この状態が更に進行すると、エナメル質が完全に無くなり、象牙質が露出する状態になるケースもあります。虫歯や酸蝕、TCH(Tooth Contacting Habit)などでエナメル質がなくならないよう注意が必要です。健康なエナメル質がどれくらい残っているかが、その歯を長く保存できる重要な要素になります。当院ではむやみに歯を削ったり、抜いたりしません。いつまでも自分のはを健康に保つための最善の方法を提案します。

象牙質はエナメル質の内側の層に存在し歯牙の全体に存在します。象牙質の70%がハイドロキシアパタイト(無機質)で、残りはコラーゲンなどの軟組織でできており、弾力性や柔軟性をもつので、エナメル質の衝撃などによる破折を防ぐことができます。(硬いエナメル質は割れやすいとも言えます。)

色は少し黄色みがあり、加齢と共に色は濃くなっていきます。エナメル質は半透明なので、内側の色が透けてしまうため、歯の色が年齢とともに黄色くなることや、歯ぎしりなどで歯が削れて黄色く感じるのは、エナメル質が薄くなり内側の象牙質が透けて見えてしまっているためです。また、歯ぐきがやせて下り、歯根が露出してしまった部分が色が濃く見えるのもこのためです。

無機質分がエナメル質よりも低いので、酸に対してはエナメル質よりも弱いです。一度虫歯になってしまうと、歯の中でどんどん進んで行ってしまいます。エナメル象牙境で虫歯がいきなり大きく広がる原因です。

また、象牙質には象牙細管と呼ばれる細いストローみたいな管が無数にあり、神経と繋がっているため知覚があります。虫歯が象牙質まで進むと、しみたり痛みを感じるのはこのためです。逆にいうと、そのような症状がある場合、象牙質まで進行している虫歯があるということなので、放置せず早めに治療しましょう。

髄歯髄は、歯の中にある神経のことです。根の先(根尖)から血管と一緒に歯の中に入り込みます。削る刺激などでも起こる可逆性歯髄炎であれば様子を見ますが、不可逆性歯髄炎に進行してしまった場合、根管治療が必要になります。当院では、ラバーダム•Ni-Tiを用いた精密根管治療も行っています。
歯髄が生きていると、刺激に対し新しい象牙質を作る機能が働くのと、血液の循環が維持されるので歯の強度も維持されます。神経をとると、根管治療をするために歯を削る量も多く、血液循環もなくなるため歯の強度が弱くなってしまいます。

セメント質は歯の歯根部を外側を覆う硬組織で歯根膜(歯の靱帯)が付着し歯槽骨と結合を手助けしています。成分は無機質60%、有機質25%、水15%となり、骨とほぼ同じ構造をしています。加齢とともに厚くなります。咬合力が強く加わるところほど肥厚傾向にあり、セメント質剥離を起こすと外科的な処置が必要になることがあります。

膜歯根膜は、セメント質と歯槽骨の間を結び付ける繊維性の結合組織を主体とした組織です。食べ物をかむ時、歯にかかる力を吸収・緩和し、歯に加わる力が直接歯槽骨に伝わるのを和らげるクッションの働きをしています。過度な力が加わると歯根膜炎を起こし、歯が浮いた感じや噛むと痛むことがあります。数日〜数週間で落ち着いてきます。天然歯にはこの歯根膜が存在し、感染や過度な力に対してとても重要な役割を担います。インプラントにはこの歯根膜がないため自分の歯の働きより劣ります。いくらインプラントが優れていても、やはり自分の歯に勝るものはないですので、自分のはを一本でも多く残すようメンテナンスしていきましょう!

骨歯槽骨は、歯を支えている顎の骨で、上顎骨下顎骨と分けられます。歯はこの骨の中に植まっています。歯周病が進行すると、歯肉だけでなく歯根膜や歯槽骨(歯周組織)にまで炎症が及び、この状態を歯周炎といいます。歯周炎では歯根膜が破壊され、歯周病菌から出る毒素や炎症によって歯を支える歯槽骨が溶けます。 歯槽骨の吸収が進行すると、周りの歯肉も減少し歯が長く見えてしまいます。症状が進行すると、歯の動揺(グラグラする)が認められ、最終的には歯が支えられなくなり歯の喪失につながります。歯を失う原因一位がこの歯周病です。
また、被せ物やインプラントなどを行う上で、健康な骨が何よりも重要になります。エナメル質の再生は不可能ですが、骨の再生は可能です。歯周再生療法や、骨造成を行い、しっかりした骨の土台を作りましょう。

肉歯肉は、歯槽骨と接合している歯周組織の一部です。一般的に歯茎とも呼ばれます。健康的な歯肉はきれいなピンク色をしていますが、炎症を起こしていると赤色に変色します。歯ブラシなどの機械的な刺激やタバコのヤニのような外来性の色素沈着などで黒色になるケースも見られます。歯肉の中でも歯肉溝を形成している部位を遊離歯肉といい、歯槽骨に付着し可動性のない部位のことを付着歯肉といいます。この付着歯肉が少ないと、細菌感染に対する抵抗力が弱くなってしまいます。また歯磨きもしにくくなってしまいます。その場合、外科処置を行い改善を行うことがあります。

お口に中の健康、歯周組織の健康は全身の健康に影響します。いつまでも自分の歯で美味しい食事をし、きれいな笑顔を維持するため一緒に頑張りましょう!