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矯正装置について

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は矯正装置についてお話しします。

国立 歯医者 矯正

矯正装置(ブラケット)には、一般的な金属のブラケット以外にプラスチックやセラミック素材を用いたものなど、種類があります。それぞれにメリットやデメリットがあり費用も異なるので、矯正において何を重要視するかで選択は変わってきます。

今回は、矯正装置(ブラケット)の種類と特徴を解説します。


【目次】
1.矯正装置とは?
2.矯正装置(ブラケット)の種類
∟①メタルブラケット
∟②プラスチックブラケット
∟③セラミックブラケット
∟④リンガルブラケット
∟⑤ジルコニアブラケット


1.矯正装置とは?

歯科矯正におけるブラケットとは、歯の移動を促すために用いられる装置の一つです。

一般的に各歯の表面に固定され、ワイヤーを通して歯に力を加えることで歯を正しい位置に動かす役割を果たします。金属製のものが一般的ですが、セラミック製やプラスチック製のものなど、見た目に配慮したブラケットも人気です。

ブラケットには、ワイヤーを通すための溝があります。溝にワイヤーを通して歯を移動させたい方向に向かって適切な力をかけることで、ブラケットを装着した歯が徐々に所定の位置へと動きます。1か月で0.5~1mmほどしか動かせないので、軽度の症例であれば半年ほどで治療が完了しますが、重度の症例の場合は2年ほどかかることもあるでしょう。

ブラケットとワイヤーによる矯正治療は、インビザラインでは対応できない重度の歯並びの乱れでも矯正が可能です。

しかし、ブラケットやワイヤーには食べ物が詰まりやすいデメリットがあります。取り外せないため口腔ケアも難しく、歯磨きが不十分な場合、虫歯や歯周病などのリスクが高まるため注意が必要です。ワイヤー矯正中は、1か月に1回ほどのペースでクリーニングに通いましょう。

また、ブラケットは口腔内の粘膜に触れることで、不快感や痛みの原因にもなります。特に、矯正開始後は慣れるまでに時間がかかるでしょう。

2.矯正装置(ブラケット)の種類

矯正装置(ブラケット)にはさまざまな種類があります。

代表的なブラケットを5つご紹介します。

①メタルブラケット

メタルブラケット(金属ブラケット)は、歯科矯正のために広く使用される一般的なブラケットの一つです。名前のとおり、メタルブラケットはステンレススチールやチタンなどの金属で作られます。金属製のため強度と耐久性に優れており、長期間の矯正治療にも安心して使用できます。

メタルブラケットは、目立つ金属の色と形により、自然な歯の見た目を損なうことがデメリットです。セラミックブラケットやリンガルブラケットを選択することで、見た目の違和感は軽減できるでしょう。

メタルブラケットは矯正治療の効果において非常に信頼性があります。高い強度と耐久性は、特に重度の歯並びの問題を矯正する場合において、非常に重要です。また、現代のメタルブラケットは以前のものと比べて小型化が進み、装着感や見た目の問題も軽減されています。

<メタルブラケットの特徴>

メリット・強度と耐久性が高く、破損のリスクが非常に低い
・重度の歯並びの乱れにも対応できる
・ほかのブラケットに比べて費用が安い
デメリット・金属製のため矯正器具が目立つ
・口腔内の粘膜に触れることで、痛みや違和感が生じやすい
・口内炎ができやすい
費用約300,000~800,000円

②プラスチックブラケット

プラスチックブラケット(ポリマーブラケット)は、歯列矯正治療に使用されるブラケットの一種です。メタルブラケットと同じく、プラスチックブラケットも各歯の表面に接着し、ワイヤーを通して歯の動きをコントロールします。

プラスチックブラケットの主なメリットは、目立ちにくいことです。ポリマー素材は通常、透明または半透明なので、歯に装着しても目立ちにくいのです。見た目を重視する患者さまにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。さらに、プラスチックブラケットはメタルブラケットより感触がソフトなため、痛みや違和感が少ないこともメリットです。

しかし、プラスチックブラケットにもいくつかのデメリットがあります。一つは、メタルブラケットと比較して、強度や耐久性が劣ることです。特に、大きな力をかける必要のある重度の症例には向いていません。また、一部のプラスチックブラケットは時間の経過で変色する可能性があります。特にコーヒーやワインなどの色素を含む飲食物を頻繁に摂取する患者さまにとってデメリットとなるでしょう。

プラスチックブラケットは、メタルブラケットよりも摩擦が大きいため、歯の移動が遅くなる可能性があります。歯の移動が遅いと、矯正期間が長引くでしょう。プラスチックブラケットは、見た目を重視する方や、比較的軽度から中等度の矯正治療が必要な患者さまに適しています。

<プラスチックブラケットの特徴>

メリット・ブラケットが透明なので目立ちにくい
・メタルブラケットに比べて口腔内への刺激が少ない
・セラミックやジルコニアブラケットに比べて費用が安い
デメリット・金属やセラミックブラケットに比べて耐久性が低く、破損しやすい
・コーヒーやワイン、カレーなどの色の濃い飲食物によって変色する可能性がある
・表面が粗いためプラークが付着しやすい
費用約600,000~900,000円

③セラミックブラケット

セラミックブラケットは、高品質なセラミック素材から作られており、歯に近い色調を再現できることから、矯正器具が目立たないことが特徴です。審美性を重視する患者さまに選ばれることが多いです。

セラミックブラケットは、自然な色調と透明性をもつため、歯に装着しても大きく目立つことはありません。また、高品質なセラミックは飲食物による着色に強いことも特徴です。セラミックブラケットはメタルブラケットと同等の強度と耐久性を持つものもあります。重度の歯並びの乱れに利用できる場合もあるでしょう。

セラミックブラケットのデメリットは、メタルブラケットよりも費用が高いことです。また、セラミックの硬さが口腔内を刺激し、痛みを感じる患者さまもいます。

<セラミックブラケットの特徴>

メリット・歯の色と似ているため、ブラケットが目立ちにくい
・プラスチックブラケットに比べて破損しにくい
・飲食物による着色のリスクが低い
デメリット・費用が高い
・強い衝撃が加わると割れることがある
・慎重に取り外さないと歯の表面を傷つける可能性がある
費用約650,000~1,000,000円

④リンガルブラケット

歯の表面(唇側)に取り付けられる一般的なブラケットに対し、歯の裏側(舌側)に取り付けるブラケットを、リンガルブラケットといいます。リンガル矯正ともよばれ、見た目に配慮したい方に人気です。

リンガルブラケットは、表面からブラケットが見えないため、見た目では矯正治療をしていることがほとんどわかりません。矯正装置を限りなく目立たせたくない場合は、リンガルブラケットが最適です。

一方で、リンガルブラケットの装着には高度な技術が必要で、難易度が高いとされています。歯の裏側にブラケットを取り付けて調整するため、経験豊富な歯科医師に装着してもらう必要があるでしょう。患者さま自身も、歯磨きなどの口腔ケアに手間がかかります。舌に直接ブラケットが当たるため、装着したばかりの頃は発音に影響が出ることもあります。

リンガルブラケットは、ブラケット自体のコストや技術的な難易度から、一般的なブラケットに比べて高額です。

<リンガルブラケットの特徴>

メリット・歯の裏側に取り付けるため矯正器具が目立たない
・口を閉じた際の表情に影響が出ない
デメリット・適応症例が限られている
・舌に触れるため発音に影響が出る可能性がある
・製作や調整に高度な技術が必要なため費用が高額になる
費用約800,000~1,500,000円

⑤ジルコニアブラケット

ジルコニアブラケットは、セラミックブラケットのような美しさとメタルブラケットのような高い強度をもつブラケットです。ジルコニアという素材はセラミックの一種で、極めて高い強度と耐久性、耐熱性をもつ特性から、歯科医療で重宝されています。

ジルコニアブラケットの一番の特徴は、強度です。メタルブラケットと同等の強度をもつため、強い力をかける必要がある重度の歯並びの乱れにも使用することができます。また、セラミックブラケットよりも割れにくいことも特徴です。また、ジルコニアブラケットは、見た目の美しさも兼ね備えています。歯に近い色調と透明性をもつため、矯正装置が目立ちません。セラミック同様、着色しにくく、長期間使用しても見た目が悪くなりません。

しかし、ジルコニアブラケットは、メタルブラケットやプラスチックブラケットに比べてコストが高くなります。

<ジルコニアブラケットの特徴>

メリット・審美性が高く、見た目が自然で目立ちにくい
・メタルブラケットと同等の強度を持ち、破損や欠けに強い
・着色成分の強い飲食物を摂取しても変色しにくい
・表面が滑らかなので、細菌が付着しにくく違和感も少ない
デメリット・ほかのブラケットに比べて費用が高い
費用約650,000~1,000,000円

ワイヤー矯正のブラケットには、さまざまな種類があります。それぞれに特徴があり、費用も大きく異なります。ワイヤー矯正を検討されている方は、当院スタッフまでご相談ください。