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歯科口腔外科?

こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は、昨日お話しした親知らずに関連した歯科口腔外科についてお話しします。


口腔外科がどのような診療科目なのか?扱う疾患や病気は何なのか?ご存じない方も多いと思います。一般歯科とどこが違うのか、よく分からないという方も多いかと思います。今日は一般歯科と口腔外科の違いについてご紹介します。

口腔外科?

口腔外科は歯牙の疾患から口腔がんまで、さまざまな症状に対応する診療科目です。交通事故やスポーツでの外傷や、顎変形症といった外科的疾患、口腔粘膜疾患や口臭症などの内科的疾患も治療します。口腔や顎、顔面などの顎顔面領域の異常は、食事や会話などの機能的障害だけでなく、審美面も大きく損なう可能性があります。治療によって自然な形態と機能が回復することで、健康的な美しさを取り戻していきます。

日本口腔外科学会HPにはこのように記載がされています。
 口腔(こうくう:口のなか)、顎(がく:あご)、顔面ならびにその隣接組織に現れる先天性および後天性の疾患を扱う診療科です。この領域には歯が原因となるものから癌までさまざまな疾患が発生します。また交通事故やスポーツなどの外傷、顎変形症ならびに唾液腺疾患などの外科的疾患のほかにも、口腔粘膜疾患、神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。この領域の異常は、食事や発音・会話がうまくできないなどの機能的な障害に加えて審美的な障害も生じます。治療により口腔・顎・顔面全体の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。そのお手伝いをするのが口腔外科です。

一般歯科では虫歯や歯周病、矯正や噛み合わせなど口腔内疾患全般を幅広い治療を行います。これに対して口腔外科は、一般的には親知らずの抜歯や骨折などの外科処置、がんの摘出などの治療を行います。「口腔がん」「顎変形症」など専門的治療も取り扱います。

<口腔外科で扱う主な病気>

  • 埋まっている親知らずなどの困難抜歯
  • 口腔ガン
  • 急性の炎症
  • 骨折
  • 顎変形症
  • 唇顎口蓋裂
  • その他の骨や粘膜疾患 など

大学病院などの高度医療機関の口腔外科では、診療を受ける際に一般歯科からの紹介状が必要な場合が多いです。紹介状がなくても受診できる病院もありますが、病院によってルールが異なります。

①埋伏歯

親知らずは退化傾向が強く、生える時期も遅く最も奥に生えてくるなど、萌出に伴う障害を受けやすく高頻度に萌出異常をおこします。先天的に欠損する頻度や埋伏する頻度もも多くみられます。下顎の親知らずではたとえ生えていても傾斜したり、水平に倒れていることは多く起こります。

②腫瘍

腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍に分類できます。

<良性腫瘍>
浸潤や転移をすることがなく、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと大きくなる腫瘍のことです。良性腫瘍には、生涯にわたって症状がでないものや、生命に影響を及ぼさないものもあります。そのため、腫瘍のできた場所や大きさ、種類などを総合的に判断し、必要に応じて手術(摘出)を行います。多くの場合、完全に取りきることができれば再発することはほとんどありません。

<悪性腫瘍>
細胞が無秩序に増えながら周囲にしみ込むように広がり、血管などを介して体のあちこちに飛びうつって新しい塊を作る(転移)腫瘍です。放置すると全身に広がり、体にさまざまな悪い影響をもたらすため、ほとんどの場合、治療が必要になります。悪性腫瘍のことを一般的に「がん」といいます。

口腔領域の腫瘍に関しては、歯原性腫瘍と、非歯原性腫瘍、口腔がんなどがあります。疑わしい所見が見つかった場合、高度医療機関の口腔外科を紹介します。

③炎症

炎症には、膿瘍や顎骨炎、蜂窩織炎、上顎洞炎などがあります。歯性の場合、口腔内細菌により発症しますので、口腔内治療により改善します。抗生物質の服用により症状は一時的に回復しますが根本的な原因除去が最も重要です。
またビスフォスフォネート関連顎骨壊死というものもあります。骨粗鬆症、乳がん、前立腺がんなどの骨転移、腫瘍随伴性高カルシウム血症および多発性骨髄腫に対して投与されるお薬で、骨関連事象の予防や治療、がんによる骨痛の軽減、転倒による高齢者骨折の予防など有効性の高い薬剤です。しかし、その副作用として、抜歯や歯周治療などをきっかけに顎骨壊死が生じることリスクがあります。

④骨折

顎や顔面の骨の骨折も口腔外科の受診になります。最も多い交通事故をはじめ、作業中の事故やスポーツの時の怪我、転倒やけんかなどが主な原因となります。またまれに、顎骨内に生じた嚢胞や腫瘍により骨が吸収されて薄くなって生じる病的骨折もあります。

⑤顎変形症

顎の発育異常のことで、顔面形態の異常や機能障害を伴うものを顎変形症といいます。先天性のものと、後天性のものとがあります。上下顎顎骨の大きさに差が大きいと、噛み合わせに影響がでてしまいます。矯正治療の一つとして骨切りを行うケースもあります。

⑤唇顎口蓋裂

胎児期、顎骨が成長するとき、顔は左右から伸びるいくつかの突起が癒合することによってつくられています。しかし、この癒合がうまくいかないと、その部位に裂け目が残ってしまいます。その結果として、唇が割れた口唇裂や、口蓋が裂けて口腔と鼻腔がつながっている口蓋裂が発生します。出産直後から成人するまでの長期間にわたる、一連の治療が必要となります。口腔外科、矯正歯科、小児歯科、形成外科、耳鼻咽喉科、小児科、言語治療科、一般歯科などによる総合的治療が必要になります。

⑤口腔粘膜疾患

白板症や紅板症、カンジダ症などがあります。白板症は、口腔粘膜とくに頬粘膜や舌、歯肉にみられる白い病変です。こすっても拭い取れないものをいいます。白板症は比較的頻度も高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いため、前癌病変の代表的なものとされています。喫煙やアルコールなどの刺激、義歯による褥瘡性潰瘍などの慢性的な機械的刺激、ビタミンAやBの不足、さらに加齢や体質なども関係するといわれています。
そのほかにもヘルペスやヘルパンギーナなどのウイルス性疾患もあります。


口腔外科は、抜歯などの外科処置のみを行う場所ではございません。もちろん埋伏智歯などの困難なケースも行いますが、口腔がんや粘膜疾患、顎骨の骨折や炎症など幅広く担当します。交通事故や怪我など緊急の際も口腔外科に紹介するケースがあります。どちらにかかればいいのかわからない方はまずは一般歯科までお越しください。