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銀歯について
こんにちは。JR国立駅南口30秒の歯医者、国立みんなの歯医者・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科院長の三井です。今日は『銀歯』についてお話しします。いわゆる銀歯も、いくつか種類があります。今日はその銀歯の特徴についてお話しします。
1.銀歯について
日本では保険診療で銀歯を使用するのは一般的でした。最近ではCAD/CAMなども普及しましたが、保険診療の場合銀歯を使うことがあります。しかし海外の歯科治療の先進国の多くは、銀歯を使用している国が少ないです。さらには、妊婦や小児に使用禁忌のところもあります。そう聞いて、驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今日は銀歯の種類や時間が経って劣化した銀歯があるとどのような悪影響があるのかをお話ししていきます。
2.銀歯の種類について
「銀歯」にもいくつか種類があります。まずはその種類とそれぞれの特徴からお話しします。
①歯科用パラジウム合金
歯科用金銀パラジウム合金とは、「金:12%、パラジウム:20%、銀:約50%、銅:約10%」から組成される合金です。
<メリット>
1.強度が高い
2.保険診療が適用される
3.機能回復効果に優れている
保険で用いるパラジウムは安価で硬い材料を選択可能ですが、デメリットの方が多い素材になります。また、昨今の情勢で金属大が高騰しており昔と比べると費用は高くなっています。
<デメリット>
1.虫歯の再発リスクがある
2.見た目の悪さ
3.金属色素の沈着
4.金属アレルギーの原因になる
5.劣化のリスク
もちろん長く保つものも存在しますが、銀歯は口に入れた瞬間から劣化がスタートします。そのため長く使っているものほど脱離のリスクが高くなります。また、金属が腐食し劣化することで溶け出した金属イオンが体内に蓄積しメタルタトゥーや金属アレルギーのリスクが高くなります。
②アマルガム
アマルガムは水銀を40~50%含む金属で、銀35%、スズ9%、銅6%、少量の亜鉛で出来ており無機水銀と言われ安全だと言われてきました。しかし近年では様々な症状の原因と考えられ、アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎や頭痛といった症状の危険性が高い材料だと考えられています。水銀が含まれることのリスクを考え最近ではほとんど使用しなくなりました。
<メリット>
1.虫歯になりにくい
2.固まるのに時間がかかる
3.保険適応
アマルガムは虫歯になりにくいです。除去した後した後、黒く着色はしているものの虫歯になっていないなという実感です。しかし、水銀の害のため、最近では使用されなくなりました。
③銀合金
歯科で用いる金属には銀合金というももございます。銀合金の特徴は以下のとおりです。
1.物性が歯科用金銀パラジウム合金に劣る
硬さや引張強さ、伸びなどの物性が金銀パラジウム合金より劣ります。そのため銀合金は強度が低く、脆いという特徴があります。
2.耐食性が金パラに劣る
金を含まず白金族元素の含有率が低い銀合金は、歯科用金銀パラジウム合金と比べ耐食性に劣りますそのため、銀合金は金パラと比べると変色しやすいという特徴があります。
また、銀合金は黒変してしまいます。シルバーアクセサリーが黒く変化してしまうのと同様に、硫化すると黒く変色します。
④純チタン冠
最近保険適応になった純チタン冠です。チタンはインプラントなどにも使われているアレルギーになりにくい金属になります。純チタン冠の特徴は以下のとおりです。
- 純チタンは金銀パラジウム合金とほぼ同じ硬さ
- エネメル質より柔らかくすり減ってくれるため顎関節症になりにくい。
- アレルギーになりにくい
3.銀歯による悪影響
銀歯は口腔内で日々劣化し金属イオンが溶け出し体内で溜まっていきます。そのため金属アレルギーの影響があります。口腔内や手や足の先に発疹ができることがあります。また異種金属が口腔内にあるとガルバニー電流が発生します。
他にも多くの悪影響がありますが、なにより再発を予防することができない材質になります。そのため何年か経過している場合、削り取り、作り直しが必要になります。繰り返すたびに自分に歯がどんどん少なくなってしまいます。
歯をより健康な状態で長く保たせるためには、どのような素材を選択すればいいのか?明日はセレミックやゴールドなどの劣化しにくい・虫歯予防効果の高い材質についてお話しします。